すべての事業者に帳簿の記録・保存義務

 現行の記帳・帳簿等の保存制度の対象者は、白色申告者のうち前々年分あるいは前年分の事業所得等の金額の合計額が300万円を超える人が対象ですが、2014年1月からは、事業所得、不動産所得または山林所得を生ずべき業務を行うすべての人が対象となりますので、該当されます方はご注意ください。

 税務署では、白色申告者のうち、新たに記帳を行う人や記帳の仕方が分からない人のために、記帳・記録保存制度の概要や記帳の仕方等を説明する「記帳説明会」を実施しております。
 記帳する内容は、売上などの収入金額、仕入れや経費に関する事項について、取引の年月日、売上先・仕入先その他の相手方の名称、金額、日々の売上・仕入れ・経費の金額等を帳簿に記載します。

 事業所得等を有する白色申告者は、簡易な方法による記帳が認められております。
 国税庁は、簡易な方法による記帳について、例えば、事業所得一般では、
①売上(加工その他の役務の給付等売上と同様の性質を有する収入金額及び家事消費等を含む)に関する事項
②①に掲げるもの以外の収入に関する事項
③仕入に関する事項
④③に掲げるもの以外の費用に関する事項の4つの取引事項に分けて記録方法を示しております。

 ①では、取引の年月日、売上先その他の相手方や金額、日々の売上の合計金額を記載しますが、「少額な現金売上については、日々の合計金額のみを一括記載する」、「小売その他これに類するものを行う者の現金売上については、日々の合計金額のみを一括記載する」、「保存している納品書控、請求書控等によりその内容を確認できる取引については、日々の合計金額のみを一括記載する」などの記録方法によることもできます。

 また、③では、取引の年月日、仕入先その他の相手方や金額、日々の仕入の合計金額を記載しますが、「少額な現金仕入れや、保存している納品書、請求書等によりその内容を確認できる取引については、日々の合計金額のみを一括記載する」、「いわゆる時借については、日々の記載を省略し、現実に代金を支払ったときに現金仕入れとして記載する。この場合には、年末における時借の残高を記載する」などの簡易な記帳方法も認められておりますので、該当されます方は、ご確認ください。
(注意)
 上記の記載内容は、平成25年1月23日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。