エヌピー通信社:東京都が21年間分の消費税を未納

 東京都が東京国税局からの照会を受けて都営住宅の家賃収入などを出納管理する「都営住宅等事業会計」について確認したところ、2022年度以前の21年間分の消費税が未納になっていたことが分かった問題で、都は国税局の照会よりも前の24年時点で税理士法人から過去の納税義務についても確認が必要との指摘を受けていたことが明らかになりました。

 都はこのほどの告示で、「未納となっている消費税について申告・納付しましたのでお知らせします」としたうえで、「東京都都営住宅等事業会計については、インボイス制度への対応に伴い、23年度事業分から申告・納税を行っていますが、25年5月に東京国税局より22年度以前の事業分について照会を受け確認したところ、消費税の申告・納税義務があることが分かりました」と経緯を説明。都の対応については「未申告判明後、納税額等の算定を行った結果、対象となる19年度から22年度分までの約1億3,642万円(消費税約1億1,965万円、延滞税約1,079万円、無申告加算税約598万円)を税務署に納付しました」と報告。「対象となる19年度から22年度分まで」の4カ年度分だけを納税したと発表していました。実際には、02年度から22年度分までの21カ年度分が未納になっていました。

 都は今年5月に東京国税局からの照会を受けたことで未納を把握したと説明していましたが、24年に税理士法人が指摘した後もこの問題を放置していた疑いが新たに浮上しています。この点について、都の住宅政策本部長は都議会定例会で、「都営住宅等事業会計の23年度分の消費税の申告・納付の業務委託のなかで、税理士法人から22年度以前の納税義務についても確認が必要であるとの指摘があったことを確認しています」と答弁。総務局長も「税理士法人から指摘があったことについてはすでに把握しており、これをどのように受け止めたのか、なぜ申告がなされなかったのかなどの事実関係を監察におきまして明らかにしてまいります」と答弁し、都が遅くとも24年中には消費税の未納を認識していた事実を認めました。
<情報提供:エヌピー通信社>