エヌピー通信社:予算成立 異例の再修正

 2025年度予算は3月に参議院で再修正され、衆議院の同意を得て年度内に成立しました。これに伴い同日、税制改正関連法も成立しています。一般会計総額は過去最大の115兆1,978億円。予算案は高校授業料無償化や「年収の壁」の見直し、高額療養費制度見直しの凍結などによって修正を重ねましたが、最終的には政府・与党が日本維新の会の賛成を取り付けました。参院での修正を経て予算が成立したのは現行憲法下で初めて。
 再修正の結果、歳出では高校授業料無償化の費用として1,064億円、高額療養費関係費として160億円を追加計上。その一方、当初の政府予算案では1兆円を計上していた予備費を2,605億円削減しました。
 歳入では、「年収の壁」の見直しにより所得税収入が6,210億円の減収になると見込みます。不足分については基金を取り崩すなどして賄う方針。赤字国債の追加発行は回避しました。

 政府は通常国会召集日の1月24日に予算案を提出。高校授業料無償化や「年収の壁」見直しに伴う修正が加えられ、衆院を通過したのは3月4日でした。しかし、参院で高額療養費制度についての審議が始まると、政府の方針が二転三転。石破首相の答弁にもブレがみられ、最終的には高額療養費制度の「自己負担額上限引き上げ」について全面凍結を表明。与党は27日、再修正案を参院に提出していました。
 当初の政府予算案を国会で修正したのは1996年以来29年ぶり。減額修正は55年以来70年ぶりのこととなりました。当初予算ベースでは2年ぶりに過去最大を更新しています。
 予算は年度内に成立したものの、後半国会では夏の参院選も見据え、物価高対策に向けた歳出圧力が強まるものとみられます。
<情報提供:エヌピー通信社>