国の「基金」の残高が膨張の一途をたどっています。国が基金ごとの執行状況を公表する「基金シート」によると、2023年度末の残高は約18兆円で、コロナ禍前の19年度末の残高と比べて約8倍の規模にまで膨らんでいる状況です。
基金は複数年度にまたがる政策の財源を確保し、必要に応じて機動的に措置できるという利点があるとされます。その一方で、一度だけ予算計上されてしまえば国会の監視が行き届きにくくなるという弊害があり、税金の無駄遣いにつながるとの指摘も根強くあります。
政府が23年12月に決めた方針では、基金への新たな予算措置は最大3年分とし、増額にあたっては成果を分析して判断することとしていました。しかし、24年度補正予算には総額3兆4,574億円が基金に充てる分として計上されています。
補正予算には、最先端半導体の量産を目指すラピダスなどへの支援策も盛り込まれています。約1兆3千億円を支援するもので、その財源にはコロナ対策関連の基金からの返納金などが充てられており、野党からは「もともとの原資は赤字国債ではないか」との指摘と批判が相次いでいます。
例えば、20年以降にコロナ禍対策の一環として約1兆4千億円が投じられた「経営安定関連保証等特別基金」は、中小事業者の資金繰りを支援する目的で設置されたものですが、基金残高から9,866億円を国庫に返納したうえで、ラピダスなどへの支援に充てられています。
国際通貨基金(IMF)は24年2月の対日経済審査で、「国の基金の3分の1で終了年度が明記されておらず、弱い統治が歳出の非効率や予算の規律低下につながった」として、日本政府を批判しています。
<情報提供:エヌピー通信社>