パリ協定において、わが国の温室効果ガス排出削減目標の達成や災害防止を図るため、森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保する観点から、2019年3月に森林環境税及び森林環境譲与税が創設され、2024年6月より1人当たり年1,000円の森林環境税の徴収が始まりました。
森林環境税は、2024年度から国内に住所を有する個人に対して課税される国税で、市区町村において、個人住民税均等割とあわせて1人年額1,000円が課税されます。
森林環境税の税収は、全額が森林環境譲与税として都道府県・市区町村へ分配され、2024年度には年間約620億円が見込まれております。
森林環境譲与税は、市町村による森林整備の財源として、2019年度から市町村と都道府県に対して、個人や会社などで管理される「私有林人工林面積」(55%)、「林業就業者数」(20%)、「人口」(25%)の割合による客観的な基準で按分して譲与されます。
人口も交付の基準に入っているため、森林がない自治体にも交付されます。
森林環境譲与税は、森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律に基づき、市町村においては、間伐等の「森林の整備に関する施策」と人材育成・担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発等の「森林の整備の促進に関する施策」に充てること、また、都道府県においては「森林整備を実施する市町村の支援等に関する費用」に充てることとされており、2023年度には総額500億円(市町村440億円、都道府県60億円)が譲与されております。
森林環境譲与税の活用額は、2019年度の譲与開始以降、着実に増加しており、2022年度には市町村と都道府県をあわせて399億円となりました。
また、全ての都道府県において、市町村に提供する各種情報の精度向上・高度化、県レベルの事業支援団体の運営支援、アドバイザーの派遣、市町村職員の研修などの市町村支援の取組みが実施されたほか、全体の9割に当たる都道府県が林業の担い手対策に、7割に当たる都道府県が木材利用・普及啓発に取り組んでおります。
今後の動向に注目です。
(注意)
上記の記載内容は、令和6年8月1日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。