一般会計の総額が112兆5,717億円となる2024年度予算が成立しました。前年度当初予算(114兆3,812億円)より減りましたが過去2番目の規模となり、2年連続で110兆円を超えました。
歳出で最も多くを占めるのは社会保障費で、過去最高の37兆7,193億円でした。大学など高等教育費支援や児童手当の拡充を盛り込んだ少子化対策の経費を計上しています。医療・福祉従事者の賃上げにつながるプラスの報酬改定も反映させました。過去に発行した国債の償還や利払いにあてる国債費は27兆90億円で、過去最大。金利の想定利率を1.1%から1.9%に引き上げたことが影響しています。
元日に発生した能登半島地震を受け、災害対応など緊急時に使用する一般予備費は例年の倍額になる1兆円を確保。このほか物価高対策と賃上げ促進に活用できる予備費としても1兆円を計上しました。
歳入面では、税収を過去最高の69兆6,080億円と見積もりました。6月以降に所得税と個人住民税が1人当たり計4万円減税される分が減収になります。総額に足りない35兆4,490億円は新規国債の発行で賄います。
あるエコノミストは「岸田政権は賃上げを重視し、春闘でも成果は一部に現れた。だが、約束を実現するために不可欠な労働生産性の上昇率を高めていく政策は見えてこない。賃上げの促進だけでは持続しない」と注文を付けています。
<情報提供:エヌピー通信社>