国税庁は、2022事務年度(2022年7月から2023年6月までの1年間)における法人の黒字申告割合を公表しました。
2022事務年度の法人税等の申告事績によりますと、2023年6月末現在の法人数は前年から1.8%増の334万1千法人で、うち2022年度内に決算期を迎え2023年7月末までに申告した法人は、同2.0%増の312万8千法人となりました。
その申告所得金額は同7.0%増の85兆106億円、申告税額の総額も同7.1%増の14兆9,099億円といずれも3年連続で増加し、申告所得金額の総額は過去最高となりました。
法人の黒字申告件数は113万1千件(前年対比3.5%増)で、黒字申告割合は前年度を0.5ポイント上回る36.2%で2年連続上昇し、2014年度以降9年連続で30%台となりました。
そして、黒字法人の申告1件当たりの所得金額は前年度比3.4%増の7,518万1千円となりました。
一方で、申告欠損金額は前年比3.5%増の17兆4,295億円、赤字申告1件当たりの欠損金額も同2.2%増の872万7千円といずれも増加しました。
また、2023年6月末現在の通算法人数は、親法人が1,954法人、子法人が1万6,391法人の計1万8,347法人(同1.0%増)となりました。
2022年4月からグループ通算制度が導入された影響で、連結法人に係る申告した親法人は1,079法人(同44.6%減)となりました。
上記のグループ通算制度とは、完全支配関係にある企業グループ内の各法人を納税単位として、各法人が個別に法人税額の計算及び申告を行い、その中で、損益通算等の調整を行う制度をいいます。
その通算法人に係る法人税の申告状況をみてみますと、申告件数は1万2,581件、うち黒字申告は7,442件で黒字申告割合は59.2%となりました。
グループ通算制度では、大規模法人が多い黒字申告割合は約6割に達し、黒字所得金額も18兆3,868億円にのぼり、黒字申告1件当たりの所得金額は24億7,100万円、申告欠損金額は2兆9,877億円、赤字申告1件当たりの欠損金額は5億8,100万円となりました。
今後の動向に注目です。
(注意)
上記の記載内容は、令和6年2月5日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。