自民・公明両党が12月中旬に2024年度与党税制改正大綱を決定しました。防衛費増額に向けた所得、たばこ、法人の3税の増税開始時期は、前年に続き大綱に明記しませんでした。27年度まで複数年で実施するため、26年開始となる公算が大きいとされています。子育て世帯に注目された扶養控除の整理は26年から縮小する方向でまとまり、25年末に結論を得ます。
自民党の宮沢洋一税制調査会長は防衛増税の開始時期について、25年からの3年間と26年と27年の2年間の選択肢を提示し、「今年(23年)に決める」と意気込んでいました。しかし、自民党内の派閥で政治資金パーティーを巡る「裏金」疑惑が浮上。政治情勢から大綱にも明記しないこととなったようです。
ただ、1本3円相当を値上げするたばこ税については、紙巻きより最大3割低く抑えられている加熱式の税率を同水準まで引き上げる方針を大綱に盛り込みました。企業やたばこ農家の予見可能性を高めるためで、25年末に法人税の付加税の税率を含めて開始時期を決めます。
児童手当の拡充に伴う扶養控除の見直しは縮小する方向となりましたが、決定するのは25年末に持ち越しました。開始時期は26年から。与党税調に示された、控除額を所得税は38万円から25万円、住民税は33万円から12万円に縮小する政府案は維持します。
公明党は0~15歳の年少扶養控除の復活を求め、政府の「異次元の少子化対策」との整合性から縮小に反対していました。ただ、25年中に目安となる政府案で課税所得が変わる場合に影響が出る教育関係などの既存の施策を確認し、縮小するかを25年末に判断するとの条件でまとまりました。
<情報提供:エヌピー通信社>