任意の自治体に寄付をすると住んでいる場所で税優遇を受けられる「ふるさと納税」制度に基づき、2022年度に全国の自治体が獲得した寄付金の総額が9,654億円を超え、過去最高を更新しました。前年度の8,302億円から2割伸びています。利用者も891万人と過去最高。同制度の利用者は10年連続で増加しています。
ふるさと納税制度は、任意の都道府県・市区町村に寄付をした場合に、今住んでいる場所で納める所得税や個人住民税から税額控除を受けられる制度。地域間の財源格差の是正や、生まれ育った故郷を応援したいという声を受けて、09年に始まりました。開始当初の利用は伸び悩みましたが、11年に発生した東日本大震災をきっかけに、被災地への復興支援の新たな形として認知度が拡大。その後、各地の特産品を実質2千円で受け取れる返礼品の人気が爆発。コロナ禍での巣ごもり需要もあり、寄付金額は右肩上がりで増え続けています。
寄付額が最も多かった自治体は宮崎県都城市で195億9,300万円、次いで北海道紋別市が194億3,300万円、北海道根室市が176億1,300万円、北海道白糠町が148億3,400万円、大阪府泉佐野市が137億7,200万円などとなっています。
制度は納税者に人気を博す一方で、寄付者が多く住んでいる都市部では税収減が深刻な問題となることや、売りとなる特産品があるかどうかで寄付額に顕著な差が生まれることなどから、批判の声も少なくありません。
<情報提供:エヌピー通信社>