東京税理士会は、2022年度の税務調査アンケート結果(有効回答数570会員)において、書面添付制度の利用状況を公表しました。
それによりますと、「書面添付制度を利用している」は151件(26.5%)あり、「利用していない」が390件と約7割(68.4%)を占めました。
書面添付件数2,942件を税目別にみてみますと、「法人税(消費税含む)」が1,948件で66.7%を占め、「所得税(消費税含む)」が696件(構成比23.7%)、「相続税」254件(同8.6%)、「贈与税」44件(同0.1%)ありました。
書面添付件数2,942件のうち、「税務調査となった」ものが12件、「意見聴取があった」ものが28件ありました。
書面を添付している理由(複数回答)は、「税務調査の省略化」が72.8%で最多、次いで「業務品質の向上」(42.4%)、「税理士の権利」(37.7%)、「顧問先に対するアピール」(37.1%)、「業務上の責任範囲を明確化」(30.5%)、「金融機関に対するアピール」(3.3%)などが挙がっております。
その他の理由(13.9%)として、「前任税理士が書面添付していたため」、「関与先からの要望」、「税務署への説明文書として」などが挙がっておりました。
一方、書面を添付していない理由(複数回答)では、「時間や労力がかかり煩雑」が48.9%で最多、以下、「添付する効果が不明」(34.6%)、「報酬の請求が困難」(31.4%)、「科目内訳書及び概況書で充分」(24.4%)などが続きました。
今後の利用意向(複数回答)は、「納税者から要望があれば利用したい」(37.9%)、「税目によって利用したい」(30.9%)、「普及率によって利用したい」(13.0%)が挙げられ、「利用したくない」は11.2%ありました。
書面添付制度をより一層周知・普及させるため有用だと思われる施策(複数回答)は、「事例集の充実」が46.8%で最多、以下、「制度の周知徹底」(29.3%)、「納税者への周知案内を作成」(29.1%)、「研修会の充実」(28.1%)が続きました。
(注意)
上記の記載内容は、令和5年2月13日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。