2022年度(22年4月~23年3月)に賃上げを予定している企業が約半数に上ることが帝国データバンクのアンケートで判明しました。賃上げした企業を対象とする優遇税制の内容次第では、最大で8割の企業が支給額を引き上げるとの結果も出ています。新型コロナウイルスの感染者数が減少して以降、多くの企業が従業員の定着や確保を急ぐ実態が浮かび上がっています。
政府・与党は賃上げをした企業を対象とする税制優遇について、控除率の大胆な引き上げなど制度強化を表明していますが、同社のアンケートで「税制優遇幅にかかわらず賃上げを行う」と回答した会社は48.6%に上りました。次いで「現状では賃上げできないが、税制優遇が大きくなれば行う」が8.5%、「現状では賃上げできないが、税制優遇が大きくなれば検討する」が22.3%でした。税制優遇が大きくなれば8割近い企業が賃上げに前向きという結果となっています。一方、「税制優遇幅にかかわらず賃上げできない」とした会社も8.1%に上り、厳しい経営環境が続く実態もうかがえます。
「税制優遇幅にかかわらず賃上げを行う」とした企業を規模別に見ると、大企業では53.6%、中小企業では47.9%といずれも約半数に上りました。一方、比較的財務力が乏しい小規模企業は37.6%にとどまりました。また小規模企業では賃上げできないと考える企業が13.5%となり、全体の平均(8.1%)を大幅に上回りました。
<情報提供:エヌピー通信社>