勤務中に株取引を行い職務専念義務に違反したとして、大阪国税局は京都府内の税務署に勤務する50代の統括国税調査官の男性を国家公務員法違反で停職1カ月の懲戒処分としたと発表しました。男性は同日付で依願退職しています。
同局によれば、この男性は法人税を担当する管理職でした。今年3月までの6年間にわたり、勤務時間中のトイレや出張の電車移動の際などにスマートフォンを使い、計4,275回の株取引を行っていたそうです。最も多い年度で約1,500回の取引を行っていましたが、ほぼ毎年数十万円の損失が出ていました。
今年4月、内部の情報提供を基にした調査で発覚したそうです。聞き取り調査に対して男性は、「大学生のころから株をやっていた。後ろめたさはあったが、ついついやってしまった」などと話したとしています。調査の結果、業務で得た情報を基に取引をするインサイダー取引は確認されなかったそうです。
国税職員の同様の事例としては、昨年に福岡県内の税務署に勤務する上席国税調査官が勤務中にスマートフォンで約1,600回の株取引を行っていたことが判明した事例がありました。また18年にも東京国税局で、勤務時間中にスマートフォンから株取引を行っていたとして国税徴収官が減給処分を受けています。いずれも税務調査などで得たインサイダー情報を取引に利用することはなかったとされています。
<情報提供:エヌピー通信社>