「決算対策」と「決算指導」の方針

決算対策:融資を受けやすくするための「金融機関対策」の提案
決算指導:融資の審査を通りやすくするための決算書作りの指導

①資金は企業の血液、資金ショート=倒産

 企業が倒産する原因のうち、最も大きなものは「販売不振」によるものですが、現実に倒産が決定するのは資金ショートを起こしたときです。
 例えば、販売が好調でも、売掛金の回収が遅れたり、できなかったりして、手元の資金が不足した結果、買掛金や未払金などの支払ができなくなって、営業的には黒字でも倒産することがあります。
 企業を人間に例えると、資金は血液にあたります。
 人間は、身体から大量の血液を失ったときに輸血を受けることができないと死に至りますが、企業も同様に、資金不足に陥ったときに資金の調達ができなければ倒産するのです。
 つまり、手元の資金がなくならない限り、企業は倒産しないということです。

②「節税対策」より「金融機関対策」が優先

 本題に入りますが、決算対策というと、決算前に行う事前の準備作業のことで、納める税金を少なくするための「節税対策」のことを思い浮かべる方が多いと思います。
 確かにそれも決算対策の一つではありますが、先行き不透明な昨今では、金融機関から融資を受けるために行う「金融機関対策」の方が重要な決算対策であると当事務所は考えています。

 繰り返しますが、手元の資金がなくならない限り企業は倒産しません。
 つまり、資金ショートを起こしそうなピンチの時でも、金融機関からの融資を受けることができれば、企業は何とか存続できるのです。

③金融機関対策に重点を置いた「決算指導」

 
 よく企業の目的はお客作りといわれますが、企業の存続に必要なのは資金です。
 そのことを踏まえて、当事務所では「金融機関対策」に重点を置き、決算指導では、金融機関の融資審査が少しでも通りやすくするための「決算書の作り方」をアドバイスしています。

 したがって、融資を受けやすくするために、企業の利益を少しでも増やすような決算対策を提案することが主であるため、利益を抑えることを目的とした「節税対策」は積極的に提案していません。
 なぜなら、節税対策に拘るあまり、利益を抑えすぎた決算書を作ってしまうと、万一、資金不足に陥ったときに金融機関から融資を受けることが難しくなるからです。

 それに、あくまで私見ですが、年間売上高が1億円未満、とりわけ5千万円未満の企業の場合、節税対策に拘ったところで、それほど大きな節税効果は望めないと思います。
 ただし、売上原価があまりかからず、人手も設備もほとんど要せず、売上の大半が利益になるビジネスをしている企業であれば話は別ですが、そういう企業は将来を考えれば、大手の税理士事務所や税理士法人に関与してもらった方が総合的なアドバイスが受けられるので、そちらを選ばれることをお勧めします。