日本税理士会連合会(以下:日税連)は、2019年度税制改正に関する建議書を公表しました。
 それによりますと、重要建議項目として、
①消費税における単一税率及び請求書等保存方式を維持すること
②所得計算上の控除から基礎的な人的控除へのシフトを進めるとともに、基礎的な人的控除のあり方を見直すこと
③償却資産に係る固定資産税制度を抜本的に見直すことをあげております。

 上記①では、軽減税率(複数税率)制度は、区分経理等により事業者の事務負担が増加することや、逆進性対策として非効率、財政が毀損し社会保障給付の抑制が必要となるなどの理由から、日税連では、単一税率制度の維持を強く主張しております。
 また、2023年10月に導入予定の適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス方式)への移行は、行政手続コスト削減の方向性に逆行することのないような配慮・見直しを求めております。
 上記②では、基礎控除、配偶者控除等の基礎的な人的控除の課税最低限は、健康で文化的な最低限度の生活を維持するために侵害してはならない性質を有するもので、生活保護の水準に合わせていくことが望ましいとしております。

 その際、給与所得控除・公的年金等控除の水準が過大なことや、控除が適用されない事業所得者等とのバランスも踏まえ、所得計算上の控除を縮減した上で、基礎的な人的控除を中心に課税最低限を確保することが適切としました。
 上記③では、償却資産に係る固定資産税制度が事業者の設備投資の阻害要因になっていること、現状では課税客体の捕捉が不十分、固定資産台帳の整理が賦課期日と決算日の年2回必要になるなど事業者に過度な事務負担を強いていること等の問題があるとしております。

 市町村の財政の現状からみると、代替財源がない限り同制度を廃止することは困難なため、当面は制度を維持しつつ上記問題の解決も検討する必要があるとしております。
 賦課期日と申告期限については、賦課期日は現行法のままとしつつも、申告期限につき、現行方式と電子申告に限り法人税の申告期限と一致させる新方式との選択制を早期に実現した上で、償却資産に係る固定資産税を固定資産税とは異なる新たな税目とする、所得税の申告期限と一致させるなどの抜本的改革の検討を求めております。
 今後の税制改正の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成30年10月1日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。