経済産業省は、2019年度税制改正要望を公表しました。
 それによりますと、研究開発投資の「量」の増加や「質」の向上を促すための研究開発税制の拡充、ベンチャー企業の成長に必要な国内外の高度人材を確保するためのストックオプション(以下:SO)税制の拡充、新設法人への繰越欠損金制度の拡充を求めたほか、中小企業関連では、個人事業者の事業用資産に係る事業承継時の負担軽減措置の創設などを盛り込んでおります。

 研究開発税制の拡充では、総額型(試験研究費総額に係る控除制度)について、税額控除の上限(現行は25%)の引上げや、税額控除率の最大値(現行は10%、2018年度末までの時限措置で14%)のさらなる引上げ、オープンイノベーション型については、ベンチャー企業や中小企業と共同研究を行った場合の税額控除率(現行は、特別試験研究費の20%)の引上げを求めております。
 また、事業拡大に向けて手許資金が貴重なベンチャー企業は、社内外からの優秀な人材確保のため、SO税制を活用しております。

 そこで、同税制(適格SO)の要件(付与対象者が取締役や使用人等、年間権利行使期間が付与決議から2〜10年、年間権利行使総額が1,200万円)の一部を緩和し、国内外の高度人材の確保や専門的な能力を有する多様な働き方を促すSOを利用した柔軟なインセンティブ付与を実現します。
 新設法人への繰越欠損金制度の拡充では、新設法人は資本金が1億円を超える場合でも、設立7年目までは所得の100%まで欠損金の繰越控除が認められていますが、8年目以降は所得の50%まで制限されます(繰越期間は最大10年)。

 そこで、新設法人が欠損金を100%控除できる期間を10年目まで延長し、赤字が先行しやすく脆弱な財務状態になりがちな新設法人の成長と事業拡張に向けたさらなる投資を支援します。
 個人事業者の事業用資産に係る事業承継時の負担軽減措置の創設では、一般的に個人事業者は資金力が低く、事業承継時の税負担のため、事業継続に必要不可欠な事業用資産を売却しなければならない事態を防ぐ必要があるとの観点から要望しております。
 今後の税制改正の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成30年9月11日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。