政府税制調査会は、米国、カナダ、英国、フランス、エストニア、スウェーデン、韓国など、税務手続きのICT(情報通信技術)化先進7ヵ国を視察してきた委員による調査報告を公表しました。
 それによりますと、電子納税手続きの推進が最も進んでいるエストニアでは、電子申告の利用状況(2013年)が所得税で95%、法人税で99%、付加価値税で99%となりました。

 納税者利便の向上のため、雇用者等から集められた情報を国税当局があらかじめ申告書に記入し、納税者に提供することで納税者の税務申告を支援するサービス(記入済申告書)も導入しております。
 電子申告割合では、イギリスが98%、フランスが96%、韓国が98%となっており、記入済申告書については、スウェーデン、フランス、カナダも導入しております。
 これに対して、日本における電子申告利用状況(2015年)は、法人全体で75%、大企業では52%にとどまっており、国税と地方税の電子申告・納税システム(e-Tax、eLTAX)の連携も道半ばで、使い勝手の悪さも指摘されております。

 政府は今後、今回報告された税務手続きITC化先進諸国の例を参考に、大企業の電子申告義務化や、ネット上で納税手続きが完結する電子納税の拡大などについての詳細を検討する一方、手続きの電子化・簡素化等により、事業者の負担感減少に向けた取組みを進めるとしております。
 そのため、電子納税の一層の推進、e-Taxの使い勝手の大幅改善、地方税との情報連携(電子申告での共通入力事務の重複排除等)などが目標となる模様です。

 規制改革推進に関する答申で、行政手続コストの削減に向けて、「各府省は、行政手続簡素化の3原則(「行政手続きの電子化の徹底」、「同じ情報は一度だけの原則」、「書式・様式の統一」)を踏まえ、行政手続コストを2020年までに20%削減すること等を内容とする行政手続部会取りまとめに沿って、積極的かつ着実に行政手続コストの削減に向けた取組を進める」との方向性を示し、政府がICTを活用した税務手続きの簡素化に本腰を入れ始めたとみられております。
 今後の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成29年11月6日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。