市町村の森林整備を支援する財源となる新たな国税「森林環境税(仮称)」の制度設計について検討を進めてきた総務省の有識者検討会が、報告書を取りまとめました。地方税である個人住民税に定額を上乗せする形で国が課税徴収し、森林保全が必要な市町村や都道府県に「森林環境譲与税(仮称)」の形で再配分する仕組みで、市町村が山林所有者に代わって間伐を行ったり、林業の担い手を育成したりする事業に活用します。

 森林は土砂崩れを抑え、温室効果ガスの吸収などの役割を果たしていますが、近年は地方山間部を中心に、高齢化や人手不足で手入れが行き届かず荒廃も問題となっていました。政府内でも数年前から安定財源が要望されてきており、今年4月に設置された検討会が具体的な制度設計の検討を進めていたところです。

 ただ、森林や水源保全を目的とした同様の税制は、高知県など37府県と横浜市が実施済みで、国が新税を導入すれば「二重課税」になるとの指摘もあります。報告書はこの点について、「(政府が構築を進める)新たな森林管理システムの下で市町村が整備に携わるための財源に充てられるため、府県の超過課税に取って代わるものではない」とすみ分ける方針を示しました。

 他方、報告書では具体的な税額や導入時期は示されず、与党の議論で詳細を詰めることになります。ただ、政府内では個人住民税の納税者(約6200万人)から1人あたり年500円~1千円を徴収する案が検討されており、仮に1千円徴収ならば、年620億円の税収となります。導入時期も2019年度から実施する案と、住民税に上乗せ措置がされている東日本大震災の復興などの財源確保措置が終わった後の24年度からとする案が出ている状況です。
<情報提供:エヌピー通信社>