日本経済団体連合会(以下:経団連)は、2021年度税制改正に関する提言を公表しました。
 それによりますと、研究開発税制の延長・拡充や税務手続きのデジタル化・簡素化を重点的に要望しております。

 研究開発税制では、法人税額から研究開発費の一定割合を控除できる総額型について、控除上限を法人税額の25%から30%へ引き上げることを要求し、あわせて控除上限を超過した金額が翌年度以降も控除可能となるように、繰越制度を復活することも検討すべきとしました。
 また、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を一層推進する上で、クラウドサービス等の自社利用ソフトウェアに係る試験研究費も研究開発税制の対象にすることを求めました。
 現状、自社利用ソフトウェアに係る試験研究費が資産計上され、税額控除対象試験研究費に不算入となっていることから、改正により、発生時損金処理と研究開発税制の税額控除対象試験研究費への算入を認めるべきとしました。

 税務手続きのデジタル化・簡素化では、税務書類について、法人の代表者等が押印しなければならないとされている国税通則法の規定をゼロ・ベースで見直し、法令に根拠のない押印欄については廃止を要求し、その上で、書面に限られている手続きについてはデジタル化を、デジタル化がされていても企業実態に照らし不十分な場合にはその徹底を進めるべきとの考えを示しました。
 そして、デジタル化の徹底の観点から、地方税共通納税システムの対象税目に早期に固定資産税等を追加すべきとの考えも示しております。

 この他、欠損金の繰越控除制度について、2019年度及び2020年度に発生する欠損金が過年度の平均水準を大幅に超過して発生することが見込まれるなか、両年度発生の欠損金を念頭に、業績動向を引き続き検証しつつ、少なくとも向こう数年間、控除上限を撤廃又は大幅な緩和を要求し、あわせて企業業績の本格的な回復までに時間を要するケースに配慮する観点から、控除期間を10年超とすること等も盛り込んでおります。
 今後の税制改正の動向に注目です。
(注意)
 上記の記載内容は、令和2年10月1日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。