菅義偉政権が、中小企業の定義の見直しに着手します。これまでもインタビューなどで中小企業の再編を念頭に置いた生産性の向上を方針に掲げていて、会社の規模が小さいことで得られる様々な優遇制度の抜本的な見直しに踏み込む構えです。現在検討しているのは中小企業基本法の改正ですが、法人税の軽減税率や各種の租税特別措置など、中小企業に認められた様々な優遇税制にも波及するのは確実と見られています。

 菅首相は9月下旬までに、経済産業相に中小企業の再編を促す仕組みづくりを指示しました。中小企業でいることで税や補助金など様々な恩恵を受けられることが、あえて企業規模を拡大させない要因になっているとして、中小企業の定義を狭めることで再編を促す考えです。

 中小企業の定義は法律によって様々で、政府が見直しを検討している中小企業基本法によれば、業種によって資本金や従業員数によって判定されます。例えば製造業であれば、資本金3億円以下、または従業員数300人以下であれば中小企業と判断され、補助金の対象となったり、信用保証を得られたりするなどのメリットがあります。

 また法人税法ではシンプルに、資本金1億円以下が「中小法人」です。法人税の軽減税率、交際費の特例、少額資産の減価償却特例など、様々な税制で大法人に比べて優遇されていて、中小企業の定義として真っ先に思い出すのは、この税法上の定義かもしれません。さらに政策目的を果たすために講じられる時限的な減税である租税特別措置でも、おおむね資本金1億円以下の事業者が中小企業として扱われています。
<情報提供:エヌピー通信社>