「出版物の総額表示義務化に反対します」というハッシュタグが、ツイッターのトレンド(話題の言葉)上位に浮上しました。著名な作家や漫画家、編集者などがツイートし拡散したためです。本体価格と消費税額を合わせた「総額表示」を免除する特例が来春で切れることになっていて、出版業界の経営を圧迫するとの懸念が背景にあります。

 総額表示は2004年の消費税法改正で義務化されました。消費者が実際に支払う金額が分からないと消費者が混乱するためです。一方、14年4月以降、5%から8%、8%から10%へ税率を短期間に2度引き上げることによる事業者負担を考慮し、「表示価格が税込み価格であると誤認されないための措置」(誤認防止措置)を条件に、総額表示義務は特例で免除されています。ただ、その特例も10%増税から1年半が経過する来年3月末に終了し、4月から総額表示に切り替わることになっています。

 財務省は9月中旬に、予定通り実施する考えを改めて出版業界に伝達。それを受け、出版関係者で反発の声が広がりました。書籍販売は、出版社が価格を決定する「再販制」と、書籍所有権を出版社が保持したまま書店販売される「委託販売制」という制度があり、価格表示の切り替え義務は出版社側にあります。体力のない出版社はこうしたコストに耐えられず、絶版になる書籍が増えるとみられます。

 財務省は、書籍に挟むスリップやしおりで総額表示すればよく、カバーの再印刷は不要との考えを示していますが、紙削減の観点からそれらを使用しない出版社も増えています。
<情報提供:エヌピー通信社>