財務省は7月上旬に、国の歳入・歳出状況などを示す「予算フレーム」と呼ばれる文書の表記を見直すことを発表しました。「財政の現状を分かりやすく示すため」(同省)としていて、一見、単なる事務的な変更にしか見えませんが、一部で「増税への地ならしか」と憶測を呼んでいます。
 「予算フレーム」は、毎年度の当初予算や補正予算ごとに作成される1枚紙の資料。歳出と歳入の大まかな内訳を記載し、いわば予算の大枠に関する「説明書」です。

 2020年度当初予算の場合、現在は「歳入」欄に税収、その他収入、公債金、および公債金の内訳として建設公債と赤字公債が記載されています。「歳出」欄には、国債費、一般歳出、地方交付税交付金、および一般歳出の内訳として社会保障関係費とそれ以外の記載があります。

 21年度当初予算からこれを改め、新規国債発行額を示す「公債金」の内訳として、①債務償還費相当分②利払費相当分③政策的赤字分(基礎的財政収支赤字)を追記。これまでフレームに記載のなかった普通国債残高や、普通国債残高のGDP比なども記します。

 この改訂によって、新たに発行する国債のうち、借金の元本返済(債務償還)や利息の支払い(利払費)にどれだけ充てられているかや、基礎的財政収支(プライマリーバランス)を25年度に黒字化させる政府目標の達成状況が明示されることになります。どの数字も財務省ホームページに掲載されていますが、フレームにも明記することで露出が増えます。

 ある財務省OBは、今回の見直しが法令の改変も不要で、本来は公表する必要もないものだと指摘した上で、「わざわざ公表したのは、新型コロナ対策で緩みきった財政規律を引き締め、将来の歳出カットと増税に向けた一里塚にする狙いだろう」と解説します。
<情報提供:エヌピー通信社>