今春に韓国から輸入した電動工具のなかに金塊18キロが隠されているのが中部国際空港で見つかり、名古屋税関が押収していたことが分かりました。金額で約1億円相当だと言います。新型コロナウイルスの影響で市場が混乱するなかで、安全な資産とされる金の価格は上昇傾向にあります。金の価格が上がるほど密輸による利ざやも拡大するため、当局は密輸の増加に目を光らせているところです。

 押収された金塊は航空貨物として電動工具数十点のなかに隠され、工具の構造に応じて成形されていました。

 金の価格は世界共通ですが、日本国内で売買をしようとすると消費税がかけられます。1億円の金塊を国内の貴金属店が買い取ろうとすると、売り主に対して消費税10%を上乗せした1億1千万円を支払わなければなりません。

 これを踏まえ、国外から日本に金を持ち込もうとすると、税関であらかじめ消費税10%分を納めることが義務付けられています。税関で納めた分と売却時に得た分で差し引きはゼロになるわけです。しかし密輸すれば税関を通らないため、消費税分を納める必要がありません。そうして持ち込んだ金を国内で売却すれば、たとえ外国で正当な価格を払って金を入手していたとしても、消費税分がまるまる儲けになるわけです。昨年10月に消費税が8%から10%に引き上げられたことで、金密輸の〝旨味〟は増していることになります。

 また新型コロナウイルスの世界的流行を受けて、「有事の安全資産」ともいわれる金の価格は上昇傾向にあります。金価格が上がるほど消費税から生じる利ざやも拡大するため、今後も金密輸は増加する可能性が高いと言えます。
<情報提供:エヌピー通信社>