政府はこのほど、2020年版の中小企業白書を閣議決定しました。中小企業の休廃業が増加傾向にある中で、特に一定の業績を残しながらも事業を停止する「黒字倒産」が増えていることを問題視し、円滑な世代交代を促すとともに、企業の生き残りのためには他社との差別化や新事業展開による付加価値の向上が不可欠と分析しています。白書をまとめた時点では、新型コロナウイルスによる中小企業への影響が顕在化しつつある段階でしたが、特に飲食業者などで「半年で資金繰り難が深刻化する」など危機感をにじませています。

 休廃業や解散を選ぶ中小企業の数は、多少の増減をはさみながらも増加傾向にあります。2019年には4万3348の事業者が休廃業・解散を選びました。
 白書では、これらの事業者の過半数が、直前の決算期では黒字決算であったことに着目しています。その理由としては経営者の高齢化、人口減少による後継者不足などがありますが、白書ではさらに、残業規制や同一労働同一賃金といった「働き方改革」をはじめとする最低賃金の継続的な引き上げや被用者保険の適用拡大などへの対応が、企業にとっての負担になっている面を指摘しました。

 また人材確保のためには高齢者や女性が継続して長く働ける場所を提供できるかが重要になっているとも強調し、「魅力ある労働環境を提供するためには、売上や利益を確保することも重要」だとして、企業の成長が労使双方にとってメリットを生み出すと分析しています。
<情報提供:エヌピー通信社>