国税庁は、2018事務年度(2018年7月~2019年6月までの1年間)における相互協議の状況を公表しました。
 それによりますと、2018事務年度は、219件相互協議事案が発生(過去最多)し、そのうち「事前確認」に係るものは163件で、全体の74%を占めました。

 「相互協議」とは、納税者が移転価格課税等による国際的な二重課税を受けた場合または受けるに至ると認められる場合に、国税庁と条約締結国の税務当局間で解決を図るための協議手続きをいいます。

 「事前確認」とは、納税者が税務当局に事前に申し出た独立企業間価格の算定方法を税務当局が確認した場合には移転価格課税は行わないという制度をいいます。

 また、「移転価格課税その他」に係るものは56件あり、この「移転価格課税その他」には、移転価格課税に加えて、恒久的施設(PE)に関する事案や源泉所得税に関する事案などが含まれます。

 一方、同事務年度の処理件数は187件で、前事務年度比13%増(過去最多)となりました。

 このうち「事前確認」に係るものの処理件数は146件、「移転価格課税その他」に係るものの処理件数は41件で、処理事案1件あたりに要した平均的な期間は34.1ヵ月となりました。

 処理件数を業種別にみてみますと、「製造業」が最多の127件、「卸売・小売業」が36件、「その他」が24件となりました。
 対象取引別にみてみますと、「棚卸取引」が156件で最多、以下、「役務提供取引」が90件、「無形資産取引」が76件となりました。

 2018事務年度の相互協議事案の処理件数は過去最多となった一方、発生件数も過去最多となり、処理件数を上回ったことから、翌事務年度への繰越件数も前事務年度比6.6%増の528件に増加しました。

 国税庁は、納税者の予測可能性を高め、移転価格税制の適正・円滑な執行を図る観点から、事前確認に係る相互協議に力を入れて実施しており、移転価格課税による追徴課税の大規模化が進むなか、相互協議のニーズはますます高まるものとみられております。
 今後の動向に注目です。
(注意)
 上記の記載内容は、令和2年2月20日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。