東京商工リサーチが発表した2019年の粉飾決算倒産の調査結果によると、コンプライアンス違反による倒産のうち、「粉飾決算」が確認された倒産は18件(前年9件)と、前年から2倍に急増しました。

 この調査は19年(1月~12月)のコンプライアンス違反による倒産のうち、裁判所への申請書類や会社・代理人弁護士への取材で粉飾決算が判明したものをまとめたもの。粉飾決算に手を染めたきっかけは様々ですが、「海外での投資失敗の隠蔽」や「業績低迷(赤字)で取引先からの支払条件が厳しくなった」などの要因だけでなく、「代表者の相続税を支払うため」など、事業承継に絡む案件もあったそうです。

 また、粉飾決算の期間が長期にわたるケースも目立ちました。粉飾決算は、資金繰りが維持されている間は発覚しにくいのですが、人件費の負担などから資金繰りがひっ迫し、金融機関に借入返済の返済猶予を要請する際、粉飾決算が発覚するケースが増えています。

 倒産ではないものの、粉飾を続けてきた企業のなかには、金融機関に粉飾決算を明らかにした上で、私的整理の形で再建を目指す企業も散見します。金融機関は収益環境が厳しく、「粉飾決算」への対応を強めています。

 粉飾決算倒産を形態別にみると、最多が「破産」の11件(構成比61.1%)で全体の6割を占めました。このほか、「民事再生法」が5件(同27.7)、「特別清算」と「銀行取引停止処分」が各1件でした。「粉飾倒産」では3社に2社が清算型を選択しています。
<情報提供:エヌピー通信社>