ふるさと納税による東京23区の「被害」が急速に膨らんでいます。流出した税収は2019年度に431億円に達し、18年度の実績(321億円)より100億円も拡大しそうです。是正を求める関係者は、自民党の税制調査会に対するロビー活動を展開しています。しかし地方による「東京包囲網」の結束は固く、現状を打開するめどは立っていません。

 東京23区で構成する特別区長会(会長・山崎孝明江東区長)の試算によると、ふるさと納税の影響で23区から流出した税収は19年度に431億円に上ります。返礼品を巡る自治体間の競争がまだ過熱していなかった15年度は24億円に過ぎず、4年間で20倍弱まで拡大した計算です。国から地方交付税を受けている自治体は流出分の75%が交付税で穴埋めされますが、交付されていない23区は対象外。そこに法人住民税の国税化や、地方消費税を自治体が分け合うルールの見直しも響き、税収減に伴う23区のダメージは小さくありません。特別区長会によると、そもそも現在の税制では23区の税収は年間2300億円減る計算です。

 将来の見通しについて、全国平均と比べて高齢化のスピードが速い一方、中学生までの子ども人口はほぼ横ばいで推移するというデータもあります。まだ財政に余裕はあるものの、財源を多く確保しておかなければ危機に直面しかねません。

 特別区長会は11月に入り、こうした状況を自民党の税調幹部らに説明し、善処を求める活動を本格化させていました。しかし「税調幹部はほとんど地方出身議員。『富裕自治体の傲慢だ』と罵られることもある」(ある23区幹部)といい、風向きは芳しくありません。
<情報提供:エヌピー通信社>