来年の米大統領選に向けた民主党有力候補者の一人、エリザベス・ウォーレン上院議員が提唱する「富裕税」構想が注目を集めています。日本でも公平性の観点から金融所得への税率引き上げを求める声が上がっており、大統領選の動向次第では、日本版「富裕税」の議論が始まる可能性があります。

 ウォーレン氏は、5千万ドル(約54億円)超の資産を持つ超富裕層を対象に、株式や不動産など全ての保有資産に応じて課税する構想を掲げ、10年間で3兆ドルの税収増を見込みます。米国内で進む格差の拡大や「富裕層は適正な税負担をしていない」という不満を背景に、有権者らの支持を得ている状況です。

 一方、日本は欧米に比べ超富裕層が少ないこともあり、富裕税の議論は盛り上がっていません。しかし高齢化に伴う社会保障費の膨張により今後の税収増に向けた施策が必須で、所得の再分配や社会保障費の財源確保のために金融所得にかかる税率を引き上げる必要性を指摘する声は根強いのが実情です。

 日本の所得税は給料などについて所得が多いほど税率が上がり、最高で45%ですが、株の配当や売却益など金融所得への税率は一律20%に抑えられています。富裕層ほど金融資産を多く保有する傾向にあるため、所得が1億円を超えると所得に占める税負担率が低くなる逆転現象が起きています。
<情報提供:エヌピー通信社>