過去の消費増税の直後には必ず消費税の滞納が激増していることから、今回の増税でも滞納件数が跳ね上がることが予想されます。自社の納税資金を確保するための対策はもちろんのこと、取引先の滞納で支払いが遅れるような事態にどう備えるかなど、経営者として考えることはたくさんありそうです。

 過去10年間の消費税の新規滞納発生額の推移を見ると、税率が5%から8%に引き上げられた2015年に前年から1千億円以上も増加していることが分かります。その後も増税前の水準に戻っていません。3%から5%に税率が引き上げられた時も同様で、消費税の滞納額が租税全体の滞納額を引き上げていることが分かります。経営者は自社が滞納してしまうリスクに備えるほか、取引相手の滞納によって売掛金などの債権を行使できなおそれがあることに注意を払う必要があります。

 国税徴収法8条では国税優先の原則として、「国税は、納税者の総財産について(中略)別段の定がある場合を除き、すべての公課その他の債権に先だって徴収する」との規定を置いています。つまり取引先が滞納してしまうと、国税当局はどこよりも優先する債権者となり、その滞納者に売掛金や借金がある事業者は後回しにされてしまうことになります。
<情報提供:エヌピー通信社>