国土交通省が3月に発表した今年1月1日時点の公示地価によると、全国の地価は前年から1.2%上昇し、4年連続の上昇となりました。住宅地ではリーマン・ショック以来の上昇に転じた前年からプラス幅を拡大し、地方圏では全用途でバブル期以来27年ぶりのプラスに転じるなど、近年続く上昇傾向を全国的に維持しました。ただし都市部以外の地方では下落幅の縮小は見られるものの全用途でマイナスが続き、交通に便利で都市部に近いエリアでの地価が上がる一方、下落が続く地点も依然多い状況です。

 4年連続の上昇を主導したのは、都市部の商業地の地価上昇です。商業地は前年の1.9%上昇からさらに伸びて全国平均で2.8%上昇。三大都市圏では東京圏で前年比4.7%、大阪圏で6.4%、名古屋圏4.7%と軒並み伸びましたが、さらに札幌、仙台、広島、福岡など地方中枢都市では、前年の7.9%をさらに上回る9.4%の著しい上昇を示しました。海外からの観光客が増加していることを背景に店舗やホテルなどの需要が高まったことに加え、国土交通省によれば金融緩和を背景とした法人投資家などによる不動産取得が地価高騰に拍車をかけているそうです。

 住宅地ではリーマン・ショック以来の下落が17年に止まり、18年に0.3%のプラスに転じましたが、今年はさらに上昇幅を広げ0.6%増となりました。全国的にも上昇や下落幅の縮小がみられましたが、地域間には大きな差が出ています。三大都市圏が1.0%上昇、地方中枢都市が4.4%と前年以上に上昇する一方で、それ以外の地方圏は0.2%の下落となりました。高齢化と人口減少が進むなかで、より生活に便利でインフラの整備されている都市部に人が集まる状況がうかがえます。
<情報提供:エヌピー通信社>