税金を滞納した人の財産を差し押さえる際に、血統書付きのペットを押収してインターネットで売るという事案がドイツで起きました。日本の税法でも生活に最低限必要な財産など差し押さえることができない禁止財産を定めていますが、そのなかにペットは含まれておらず、同様のケースが生まれる可能性もゼロではありません。

 ドイツの北西部にあるアーヘン市で、ある納税者が市税を滞納した結果、昨年11月に財産を差し押さえられることとなりました。職員らが目を付けたのが、一家が家族同然にかわいがっていた愛犬でした。
 1歳になる愛犬・エッダは血統書付きの黒パグ。同じ種類の犬をペットショップなどで買うと、19~25万円ほどが相場だったそうです。一家はエッダを連れて行かないよう求めましたが、職員は押収し、インターネットオークションに出品。相場の半値の約10万円で購入者が付き、実際に引き渡されました。

 この事案が明るみになり、動物愛護家などからは批判の声も上がりましたが、同市の広報担当者は「差し押さえと売却は合法である」とコメントしています。一方で同市は、「職員の行動は例外的なものである」として詳しい経緯などを調査しているとも発表しました。動物保護の観点からも職員の今回の差し押さえが「問題あり」とされる可能性は十分にありそうです。

 同様のことは日本でもいえます。国税徴収法の75~78条では「差押禁止財産」を定めていて、生活に欠くことのできない衣服などの必需品、食料や燃料、業務に欠かせない最低限の設備、一定以上の給与や年金などが列挙されています。そのほか実印、位牌、日記、学習用具なども禁止財産に当たります。そのなかにペットは含まれておらず、法律上ではペットを差し押さえることは違法ではありません。そのため愛するペットが差し押さえによって転売される可能性はゼロとは言えません。
<情報提供:エヌピー通信社>