昨年夏ごろから噂されていた節税保険の規制が、ついに現実となりました。1月に金融庁が生保各社を呼び出して商品設計の見直しを求め、2月には国税庁が支払保険料の損金算入に新たな規制を設ける方針を提示。これらの動きを受け、すでに大手生保各社は同種の保険の販売を取りやめている状態です。

 生保業界が売り出した「節税保険」が当局に規制されて販売中止になるのは今回が初めてではありません。それどころか、過去に何度も繰り返されてきた「いつか見た景色」であるとさえ言えます。

 例えば1987年には、当時よく売れていた「長期平準定期保険」について、それまで認めていた全損処理を許さず一部資産計上するとした通達が国税庁から出されました。その後、生保各社は「逓増定期保険」と呼ばれる、支払った保険料を全額損金にできる貯蓄型商品を売り出しますが、96年と2008年の個別通達により規制されます。すると生保業界は「がん保険」を新たな全損商品として売り出しますが、これまた12年の通達で規制されました。節税保険の歴史とは、ルールの隙間を突いて全損商品を開発する生保会社と、その穴をふさぐ国税当局という構図の繰り返しということになりそうです。

 果たして、今回規制された「傷害(災害)保障期間設定型」の長期定期保険が〝最後の節税保険〟となるのか、それともまた新たなルールの抜け穴が発見されるのか。歴史は後者を指しているようにも思えます。
<情報提供:エヌピー通信社>