国税庁は、2017事務年度(2018年6月までの1年間)の海外取引調査を公表しました。
 それによりますと、2017事務年度に海外投資者等を対象に前年度比46.8%増の4,616件の実地調査を実施し、同80.6%増の総額約977億円の申告漏れ所得を把握しました。

 4,616件を取引区分別にみてみますと、「海外投資」(預貯金等の海外での蓄財を含む海外の不動産や証券などに対する投資)が全体の34.4%を占める1,587件となり、「輸出入」(事業での売上や原価に係る取引で、海外の輸出(入)業者との契約による取引)が同12.0%の553件、「役務提供」(工事請負やプログラム設計など海外において行う、労力・技術等の第三者に対するサービスの提供)が同9.1%の420件となりました。
 そのほか、海外で支払いを受ける給与や贈与(親族に対する海外送金等)など海外取引に係るもので、上記の取引に該当しない「その他」が全体の44.5%を占める2,056件となりました。

 1件あたりの申告漏れ所得を取引区分別にみてみますと、「海外投資」が3,320万円、「輸出入」が1,053万円、「役務提供」が1,477万円、「その他」が1,603万円となりました。
 そして、事例では、民泊事業者を調査したケースが挙がっております。

 会社員Cは、例年、給与所得と少額(又は赤字)の不動産所得を申告していましたが、部内資料等から、民泊による収入を得ていることが想定され、調査の結果、Cは複数の自己所有物件や賃貸物件を国外の民泊仲介業者のインターネットサイトにアップして宿泊者を募集し、宿泊料は同仲介業者を通じて得ていましたが、申告していませんでした。

 顧問税理士には、民泊による年間収入金額よりも過少になるような賃貸契約書を偽造し提示することで、民泊に係る申告を免れ、少額(又は赤字)の不動産所得を申告していたことも判明し、その結果、Cには所得税5年分に係る申告漏れ所得金額約2,600万円について、追徴税額(重加算税含む)約700万円が課税されました。
(注意)
 上記の記載内容は、平成31年2月1日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。