1.自計化とは?
 自計化とは、「自社で経理処理を行うこと」であり、最近では、パソコンの会計ソフトを活用して、自社で経理処理から会計帳簿の作成までを行うことをいうのが一般的です。
 手書きで会計帳簿を作成しようと思えば、簿記の知識が必要になりますが、パソコン会計を使えば、専門の知識や経理の経験がない方でも、簡単・短時間で行うことができます。

2.自計化のメリットとは?
 自計化に下記の3つのメリットがあります。
①税理士事務所等に記帳代行を依頼している場合、前月の帳簿が手元に届くまでの間、タイムラグが発生しますが、自計化していれば、帳簿等の会計資料は自社にあるので、直ちに知りたい情報が得られます。なお、記帳代行を依頼している場合でも、手書きで伝票や集計表等の資料及び金銭出納帳を作らなければならないので、全ての手間を省略することはできません。
②税理士事務所等に支払っていた記帳代行料金が浮きますので、経費の削減にもつながります。また、記帳代行用に手書きで伝票や集計表等の入力資料及び金銭出納帳を作成する時間があれば、パソコンへの入力作業は済んでしまいますので、時間の節約にもなります。
③自計化によって、月次決算(月末に帳簿を締め切り、1カ月間の決算書である「月次試算表」を作成すること)を行うことによって、自社の経営状況を迅速かつ正確に把握できるため、的確な経営判断を行えるようになることが、最大のメリットです。

3.自計化の効果とは?
 自計化には、下記の3つの効果があります。
①確定申告の時点において、節税対策を行うには限界がありますが、毎月の経営状況を把握していれば、決算までに幅広い節税対策をとることが可能になります。
②毎月の財務状況が把握していれば、納税等、資金需要の予測がより正確に実施できるため、資金計画の作成・実行が容易になります。
③毎月の経営状況を把握することにより、経営の問題点の発見と改善にいち早く取り組めるため、最も重要度の高い要因に対して、集中的に対策を打つことが可能になります。

4.月次試算表とは?
 月次試算表とは、会計帳簿をもとに、資産・負債・純資産・収益・費用の勘定科目ごとに分類して、月ごとに集計したもののことです。
 この月次試算表は貸借対照表と損益計算書を一緒にしたものと考えるとわかりやすいと思います。
 ちなみに、パソコン会計だと、この月次試算表も短時間で簡単に作成することができます。
 金融機関から事業資金を借りるときには、必ず直近の月次試算表の提出を求められます。
 月次試算表は最新の経営状態を把握するときには一番役に立つ資料です。

5.月次試算表の必要性
 中小企業金融公庫の「経営環境実態調査」(2004年11月)によれば、経常利益が増加傾向の企業は、月次試算表を作成するまでの時間が短く、締めてから1週間以内に試算表を作成する企業が約3割、2週間以内だと約7割と、経常利益が減少傾向の企業に比べるとその割合は高いという結果が出ています。
 また、経営者は事業活動の際に、ある程度の事業の見通しを立てて行動していますが、目の前のことのみを考えて行動するよりも、長期見通しを立てて行動する必要があります。
近視眼的な行動は、本来行うべき企業行動が見えなくなり、事業の方向性が間違っていても気づかない可能性や事態の悪化に気づいた時には対応の余地が無くなっている可能性もあります。
 先述の「経営環境実態調査」によれば、経常利益が増加傾向の企業は、経常利益が減少傾向の企業に比べて事業見通しの検討期間(短期経営計画)が長いという結果が出ています。
つまり、業績を向上させようとするならば、決算書を過去と比較するだけで済ませるのではなく、そこからもう一歩踏み込んだ財務分析を経営者が理解すること、また月次試算表の作成時間を速めることで自社の状況を早く把握し、次の経営計画を立てることが重要なのです。
 したがって、業績を向上させるためには、常に経営計画(仮説)に対する実行状況を確認(検証)する作業が不可欠であり、その仮説検証の作業をスムーズに行うためには、自計化を行うことにより、迅速に月次試算表を作成することが必要となるのです。