政府はおよそ5年ぶりに改定する高齢社会対策大綱に向けて、公的年金の受給開始年齢を70歳より遅らせることもできる新たな制度案をまとめました。開始年齢を遅らせるほど受給時に受け取れる額が増える案を組み合わせて、70歳を超えて働き続ける高齢者を増やしたい狙いがあります。経営者は70歳を超えても現役で働くことも多く、制度が改正されれば経営者の働き方の選択肢が増えるかもしれません。

 現行制度では公的年金の受給開始年齢は原則65歳ですが、60歳から70歳の間で任意に選ぶことができます。65歳より早く受け取り始めれば受給額が減り、遅く受け取れば受給開始後の年金は増えるシステムで、年金受給額は早ければ最大30%減り、遅ければ最大42%増えます。

 政府案では、現行制度をさらに拡大し、70歳を超えて受給年齢を75~80歳まで遅らせることができるようにするもの。現行制度では受給開始を65歳から1カ月遅らせるごとに0.7%上積みされますが、これを70歳以降はさらに加算されるよう検討します。

 実際に2015年度に国民年金だけを受給した人のうち、受給開始年齢を65歳より遅らせた人は1.4%にとどまっていることから、どれだけの人が70歳より受給開始年齢を遅らせるかは未知数です。受給開始を遅らせれば月ごとに受け取れる年金の額は増えますが、受け取れる期間は短くなることも意味します。長生きすればその分得をするものの、自身のリタイアプランやその後のセカンドライフも踏まえて慎重に検討したいところです。
<情報提供:エヌピー通信社>