◆平成26年度の中小企業診断士一次試験の経営法務にこんな問題が出題されました。
 「ゴーストライターが自らの創作に係る著作権を他人名義で出版することに同意した場合、そのゴーストライターは、その著作物の著作者とはならない」○か×か?
 著作者の権利を保護するために著作権が存在するのですが、著作権は、「著作者の権利」と「著作隣接権」に分類され、さらに著作者の権利は「著作者人格権」と「著作財産権」に分類されます。

◆この問題は「著作者人格権」について問われているのですが、
 著作者人格権は、一身専属的な人格的利益を保護する権利であり、譲渡・相続できない権利(著作権法第59条)で、著作権法では次の3つを規定しています。
1.公表権
著作物を公表するかどうか、また公表する場合の時期や方法について決定する権利
2.氏名表示権
著作物に著作者名を表示するかどうか、また表示する場合どのように表示するか(本名、ペンネーム)などについて決定する権利
3.同一性保持権
著作者の意に反して著作物の内容や題名を勝手に変えたり、切除したりさせない権利
 今回の問題ですが、著作者には2に記載した「氏名表示権」があります。これは実名もしくは変名を著作者名として表示することも表示しないこともできます。つまり、ゴーストライターが著作物を他人名義で出版することに同意したとしても、それは氏名表示権に基づくものです。あくまでも著作物は創作したゴーストライターのものであるために、解答は×ということになります。

◆では著作財産権は?
 ゴーストライターが、他人名義で出版する代償として金銭を受け取っていた場合は著作権の譲渡となり、著作財産権はゴーストライターになくなりますが、契約書に明確に著作権の譲渡と謳わず、単なる役務の提供や買取の対価と受け止められるような表現だと、著作財産権もゴーストライターに残る場合があります。
 コンピューターソフトの開発も著作権が関係しますのでご留意ください。