モリカケ問題を巡る財務省の公文書改ざんなど数々の〝首相案件〟で揉めに揉めている今国会のドサクサの中で、27年ぶりとなる新税「国際観光旅客税」が創設されました。政府は、「観光立国ニッポン」を加速し、さらなるインバウンド効果を狙うための財源にするというビジョンを掲げますが、法成立後も税収の使途はどうにもはっきりしません。

 「国際観光旅客税」は日本から出国する際に税金をかける「出国税」で、飛行機や船で外国に渡航する2歳以上の人に対し、1人当たり一律1千円を徴収します。日本への入国後24時間以内に出国する乗り継ぎ(トランジット)客は対象から外されます。

 当初は日本を訪れた外国人のみに課税する案も検討されていましたが、各国と締結している租税条約に「国籍による差別の禁止」が盛り込まれていることに配慮して、日本人にも同様に課税することとなりました。施行は2019年1月7日。

 出国税の使途の大きな柱は、①快適な旅行環境の整備、②日本の多様な魅力に関する情報発信強化、③地域固有の文化・自然などを活用した観光資源の整備による満足度向上――という3分野で、それぞれ誰が見ても反論する余地はないものですが、範囲があまりに広い状況です。業界からは「バブル期と同じように、土建業界に流れるだけではないか」(東京・大田区の旅館経営者)といった諦めの声も聞かれます。
<情報提供:エヌピー通信社>