文部科学省は、2018年度税制改正要望を公表しました。
 それによりますと、美術館等(博物館法に基づく「登録博物館」又は「博物館相当施設」のうち、美術品の公開及び保管を行うもの)が各館の収蔵品収集方針に照らし、活用が妥当と判断する美術品について、その対象美術品の所有者が安定的な寄託を約し、また、その状態を維持する以下の場合に、相続人の相続税・贈与税の納税猶予を要望しております。

 その状態を維持する場合とは、美術品の所有者である個人が、寄託期間中は解約の申し入れができない旨の定めがあることを受け入れた上で寄託を約し、当該美術品を相続(遺贈を含む)・贈与により取得した者もその状態を維持する場合や、相続・贈与により美術品を取得した個人が寄託期間中は解約の申し入れができない旨の定めがあることを受け入れた上で寄託を約し、かつ、その状態を維持する場合をいいます。

 また、保存活用計画が策定された文化財について相続税・贈与税の納税猶予や、文化財保護法の改正により、保存活用計画の法律上の位置づけなど、新たな仕組みの構築の検討も要望しております。

 文部科学省は、「高齢化社会が進行するなか、相続を機に美術品等の適切な保存と公開活用が途絶え、次世代へ確実に継承されないことが懸念されている。また、新たな有望成長市場の創出・拡大のためには、我が国で所有されている美術品等の良質な文化ストックを戦略的に活用し、美術館等での公開を促進することを通じて、文化と観光、産業とが一体となった新たな市場創出や地域経済活性化等を図っていくことが極めて効果的」としております。

 さらに、「美術館等に寄託された美術品等に対する相続税・贈与税の納税猶予の特例創設により、美術品等の美術館等への寄託の促進による次世代への確実な継承と美術品等の海外流出や散逸を防ぎ、美術品等の計画的・一体的な公開活用を促進するとともに、美術館等のコンテンツの充実と国民の文化アクセスの拡大、訪日外国人の増加に資する観光拠点化を推進し、地方創生の実現にも貢献する」と創設の理由を示しております。
 今後の税制改正の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成29年9月19日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。