農業用機械メーカーのクボタが大阪国税局の調査を受け、一昨年までの2期について10億3千万円の申告漏れを指摘されたことがわかりました。このうち2億4千万円は所得隠しと判断され、重加算税含む追徴税額4億2千万円が課されています。国税当局が指摘したのは、同社が一括損金になる「修繕費」と計上して所得から控除した支出は、税務上で一括損金にできない「資本的支出」に当たるという点です。

 また同時期に、東日本高速道路が約5億1千万円の申告漏れを東京国税局に指摘されています。こちらも修繕費と計上したものが資本的支出であると当局に指摘されました。建物や機械装置の修理・改良にかかった費用が修繕費と資本的支出のいずれであるかの判定は、国税当局と争いになりやすい永遠のテーマなのです。

 修繕費とは固定資産の維持管理や破損部分の回復のための費用で、支出した年の損金に算入します。一方の資本的支出は、耐用性の向上や価値の増加など新たな機能を加える費用を指し、一括損金にできず資産として減価償却していかなければならず、会社の財務戦略に大きな影響を与えます。

 企業にとっては、修繕費として申告したものが否認されると、支出年度に一括して計上できるはずだった多額の損金がなくなるだけでなく、その分は「申告漏れ」として無申告加算税などの本来不要の税負担まで発生してしまいます。クボタのように4億円とまではいかなくても、会社の屋台骨を揺るがすレベルの損失なることは十分に想定できます。財務体力に乏しい中小企業にとっては死活問題といっても過言ではありません。
<情報提供:エヌピー通信社>