国税庁は、2015年度査察白書を公表しました。
 それによりますと、2016年3月までの1年間(2015年度)に、全国の国税局が査察に着手した件数は189件と、前年度(194件)を5件下回りました。
 また、査察で摘発した脱税事件は181件、脱税総額は前年度を7.5%下回る約138億円となりました。

 継続事案を含む181件(前年度180件)を処理(検察庁への告発の可否を最終的に判断)し、うち63.5%(同62.2%)に当たる115件(同112件)を検察庁に告発しました。
 この告発率62.2%は、前年度から1.3ポイント増加し、3年ぶりに前年度を上回りました。
 告発事件のうち、脱税額が3億円以上のものは前年度より1件少ない5件にとどまり、近年は脱税額3億円以上の大型事案が減少傾向にあるそうです。
 告発分の脱税総額は、前年度を約11億円下回る約112億円、1件当たり平均の脱税額は9,700万円(前年度1億1,000万円)となりました。

 告発分を税目別にみてみますと、「法人税」が前年度から横ばいの69件で全体の60%を、脱税総額でも約57億円で51%を占めました。
 所得税は同7件増の25件(脱税総額約31億円)、消費税は同1件減の12件(同約10億円)、相続税は同3件増の5件(同約11億円)、源泉所得税は同6件減の4件(同約3億円)となりました。

 告発件数の多かった業種・取引(5件以上)をみてみますと、「建設業」が15件でトップ、次いで、「不動産業」が12件、「クラブ・バー」が7件、「機械器具卸」が6件と続いております。
 「建設業」や「不動産業」では架空経費の計上、「クラブ・バー」ではホステス報酬に係る源泉所得税を徴収していたにもかかわらず、納付していなかったものが多くみられました。
 また、告発の多かった業種以外にも、ネットワークビジネスと称して、新規会員を勧誘することで多額の手数料を得ていた事例や運用実態がないにもかかわらず、海外投資の名目で出資金を募っていた事例など、その事業活動自体に違法又は不当な行為が含まれるとして、社会問題化した業種についても、国税庁は積極的に告発しております。

(注意)
 上記の記載内容は、平成28年12月1日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。