日本損害保険協会(以下:損保協会)は、2017年度税制改正に関する要望を公表しました。
 それによりますと、国際課税分野において、経済協力開発機構(OECD)により税制の国際的調和を図る目的から、BEPS(税源浸食と利益移転)報告書が取りまとめられましたが、損保協会は、このBEPS最終報告書を踏まえ、国際課税ルールを見直す場合には、損害保険ビジネスの特性に十分に留意することを求めております。

 BEPS報告書においては、多国籍企業が、稼得した所得を低課税国へ移転するなど、国際的な税制の隙間を利用し意図的に租税回避を行っているとの問題意識から、様々な租税回避手段に対応するために各国税務当局が行うべき措置等が勧告され、今後、各国において、これらを踏まえた国内法の整備が順次行われることが見込まれております。
 損保協会では、公正な競争条件を作る観点から国際課税ルールを見直していく方向性には異論がないとしております。

 しかし一方で、国内法の整備に伴うルールの見直しにより、正当な経済活動を行う企業に対して制度の趣旨を超えた過度の課税や事務負担の増大を強いる制度設計が行われることのないよう、検討に当たっては損害保険ビジネスの特性を適切に踏まえて、十分に留意するよう要望しております。
 その他、2019年10月に消費税率10%の引上げが予定されていますが、それに伴い拡大する損害保険に係る消費税制上の課題を解消する抜本的な対策の検討を求めております。

 損害保険料は非課税とされ、仕入税額控除が認められない結果、代理店手数料や物件費などにかかる消費税相当額が、転嫁せざるを得ない「見えない消費税」として含まれていく構造だとし、このことから、保険料が非課税である損害保険においては、「税の累積」や「税の中立性の阻害」という2つの課題を発生させていると指摘しております。
 諸外国においては、こうした課題を踏まえた制度設計を行い、また影響の緩和策も実施しており、わが国においても、上記の2つの課題を解消する抜本的な対策の検討を進めていくことが必要との考えを示しております。
 今後の税制改正の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成28年10月12日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。