消費増税と軽減税率導入が平成31年10月まで延期されたことを受け、政府は税率ごとの正確な税額を経理区分するインボイス(適格請求書)制度の導入も合わせて2年半先送りする方針を固めました。当初から4年間の準備期間を設けていたため、増税とは別物として予定通り開始すべきとの声もありましたが、免税事業者など中小企業への影響が大きいことから2年半の延期を決めたようです。その他、住宅ローン減税制度や自動車取得税の廃止も消費増税に合わせて先送りされます。政府は秋の臨時国会に税制改正法案を提出します。

 インボイス制度は、8%と10%の税率ごとに税額票を発行して正確な課税売上高を記録し、それをもとに経理を行うというもの。現行では請求書に記載が求められるのは消費税を含めた税込みの請求額のみですが、インボイスが始まれば課税事業者は「事業者登録番号」と、請求額とは別の「税率ごとの消費税額」を記載せねばならず、すべての取引について正確に記録・提出する義務が生じます。仕入税額控除は発行されたインボイスをもとに行うため、インボイスを発行できない免税事業者が取引から除外されるのではないかとの懸念も指摘されています。

 当初の予定では増税4年目の33年からインボイス制度を開始するとして、それまでの4年間は総売上に占める課税売上割合でみなし税額控除を認める経過措置期間を設ける予定でした。しかし増税が延期されたことで猶予期間は1年半に短縮。それでも準備に十分との声もありましたが、多くの免税事業者が課税事業者に転換することが見込まれることから、政府は十分な準備期間が必要と判断しました。

 新たなスケジュールでは、消費増税と軽減税率導入が行われ、そこから4年間の経過措置期間を経て平成35年10月から正式なインボイス制度が始まります。
<情報提供:エヌピー通信社>