ふるさと納税制度の実質予算は年間764億円という推計を、このほどニッセイ基礎研究所がまとめました。応援したい自治体に寄付することで税負担が軽減される制度ですが、返礼品の充実による寄付者の獲得競争が起きているのが実態で、制度を運営する自治体側の厳しい懐事情が浮き彫りになりました。

 総務省公表の「ふるさと納税に関する現況調査結果」をもとに同研究所が分析しました。
 それによると、昨年度のふるさと納税の受入総額(全国計)1653億円のうち、制度運営にかかる経費は総額793億円で、「経費率」は48%に上りました。内訳は、返礼品の調達38.3%、送付2.6%、募集の広報0.9%、決済など1.1%、事務その他5.1%で、返礼品の「還元率」は平均40%に達しました。

 また、近年の傾向から、ふるさと納税を行う納税者の寄付先数を平均5件と仮定。受入件数726万件から逆算し、約145万人が自己負担額2千円を国もしくは自治体に納めたとして、寄付者負担額を総額29億円とはじきました。

 これを受入総額から差し引いた1624億円は、国や他自治体が受け取るはずだった所得税や住民税からの移動分に他なりません。全体でとらえると、経費総額から寄付者負担額を差し引いた764億円が「持ち出し」となり、制度運営にかかる実質予算と言い換えられるというわけです。
<情報提供:エヌピー通信社>