熊本地震の発生を受けて、美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長は4月下旬、チャーターしたヘリコプターで佐賀から熊本に向かい、被災地に救援物資を運び込みました。クリニックの顔でもある高須院長が大々的にアピールしたこともあって、「どうせ売名のためだろう」と冷ややかな目で見る向きもありましたが、たとえ目的が売名だろうと、あるいは節税だろうと、被災者にとって支援物資や義援金は生活復旧につながる大事なものです。

 被災地に向けて物的支援をしたいと考えている経営者は少なくありません。
 会社が自社製品を不特定または多数の被災者に提供することがありますが、この費用は損金算入額が制限される寄附金や交際費ではなく、原則的に損金算入できる広告宣伝費に準じるものとして処理できます。得意先の社員が避難している場所に災害時に使える自社製品を提供したときも、多数の被災者に救援のために緊急に提供したと税務署に認められるものであれば同様の処理が可能です。

 熊本地震で被害を受けた得意先に会社が災害見舞金を支払ったときも損金算入できます。通常であれば特定の者への贈答は交際費に該当してしまいますが、支払い先が事業関係者とはいえ、取引先が営業活動を再開するための復旧期間に、被災前の取引関係の維持・回復のために支出する災害見舞金はそれに該当しません。

 また、災害時に製品が滅失・破損した業者に、メーカーが代わりの自社製品を譲渡したときは、災害見舞金などの項目で損金に算入できます。直接の取引先でない事業者に対して無償交換したときも同様です。
<情報提供:エヌピー通信社>