国税庁は、2014事務年度(2015年6月までの1年間)における海外取引法人等に対する調査実態を公表しました。

 それによりますと、1万2,957件(前事務年度比5.5%増)調査が実施され、そのうち26.5%に当たる3,430件(同1.5%増)から海外取引等に係る申告漏れを見つけ、2,206億円(同23.7%増)の申告漏れ所得金額を把握しました。
 さらに、そのうち418件(同0.5%増)は、租税回避行為など故意に不正計算を行っており、その不正所得金額は393億円(同224.9%増)にのぼりました。

 調査事例として、自動車附属品の製造販売業A社が、Z国に所在するA社の100%子会社であるB社からの借入金残高とB社におけるA社に対する貸付金残高に多額の開差が把握されたため、A社にB社の決算書の取り寄せを依頼するなどして検討したところ、配当の利益を隠ぺいするために、B社からの配当をB社からの借入金に仮装して計上していた事実が判明しました。

 その結果、申告漏れ1億3,200万円について5,000万円が追徴課税されました。
 経済取引の国際化に伴い、企業や個人による国境を越えた経済活動が複雑・多様化するなか、国税庁では、非居住者や外国法人に対する支払(非居住者等所得)について、源泉所得税の観点から、重点的かつ深度ある調査を実施しております。

 その他、外国法人に対する工業所有権の使用料の支払について、源泉徴収を行っていなかった事例が見受けられました。
 2014事務年度の調査では、給与等や使用料、人的役務提供事業などについて国際源泉所得税の課税漏れを1,493件(前年度比13.4%増)見つけ、40億7,200万円(同33.9%増)を追徴課税しております。
 国際源泉所得税の非違の内訳(追徴本税額2,000万円以上)は、「使用料」に係るものが32%を占めて最多、次いで「人的役務提供事業」が28%、「利子」13%、「配当」10%、「不動産譲渡」8%、「給与等」4%、「その他」5%となりました。

(注意)
 上記の記載内容は、平成28年2月19日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。