国税通則法で定められた手続きが適切に実施されていない税務調査があることを、東京税理士会(神津信一会長)のアンケート調査が明らかにしました。

 東京会の業務対策部は無作為抽出した開業税理士・税理士法人(東京会所属)6千にアンケートを発送し、平成27年度(平成26年7月1日~27年6月30日)の税務調査の実態を調査しました。回答を寄せた1465者のうち、税務調査があったとする回答は約半数の747でした。

 平成25年の通則法改正によって実地調査前に「実地調査を行う旨」「調査の開始日時」「調査の開始場所」など11項目を納税者側に通知することが税務当局に義務づけられましたが、すべての調査で全項目が通知されているわけではなさそうです。

 東京会のアンケート回答者の顧問先が受けた税務調査の総数は1949件で、このうち全11項目が税理士に通知されたのは1500件にとどまりました。また、納税者だけに全項目が通知されたのは145件でした。税理士もしくは納税者に全項目が通知されたのは合計1645件で、全体の84.4%にとどまっています。そして、税理士にも納税者にも事前通知がないまま調査に移行したケースは73件もありました。新たなルールが全調査官に知れ渡っていないことが分かります。

 通知がまったくなかった73件のうち、調査官の臨場後に説明を受け、納税者の理解と協力のもとで調査が開始されたのは65件。残りの8件からは、「納税者の理解・協力が得られる状況ではなかった」「外出している間に調査が行われた」といった税理士の憤りの声が寄せられています。
<情報提供:エヌピー通信社>