日本経団連は、2016年度税制改正要望を公表しました。
 それによりますと、法人実効税率の早期に20%台の実現や、消費税の複数税率の導入に反対などを示しました。
 法人税改革では、法人実効税率のさらなる引下げを図り、できるだけ早期に20%台を実現することが重要とし、2016年度改正では、経済の状況や設備投資への影響を勘案し、企業の負担が実質的に増加することがないよう配慮して、法人税改革の継続を要望しました。
 今後とも、法人実効税率の引下げに不断に取り組み、将来的にOECD諸国平均、また、競合するアジア近隣諸国並みの25%へと引き下げることを要望しております。

 消費税については、財政の健全化や社会保障制度の持続可能性の確保、安定した成長基盤の創出のためには、消費税率の引上げが不可欠であり、需要減・反動減対策を万全にしつつ、2017年4月に予定通り着実に消費税率10%へと引き上げることを要望しております。
 ただし、複数税率の導入については、「標準税率が10%で実感できる程度の差をつければ、大幅な税収の減少を招き、社会保障制度の持続可能性を損なう」と指摘しております。

 さらに、「対象品目の線引きが困難であり、課税の中立性が損なわれること、高額所得者にも複数税率の恩恵が及ぶため低所得者対策としても不十分であること、商品毎に税率を区分記載・確認するため、徴税側・納税側の事務負担が増加すること等の問題がある」とも指摘しております。

 また、「飲食料品を取り扱う事業者に限らず、全ての事業者に対して消費税の納税方法の変更を強いるものであり、広範囲に影響を及ぼし、また、BtoC取引の事業者を含む数百万の免税事業者が取引から排除されるおそれがある等、中小・零細事業者に過度な事務負担を強いることになる。低所得者対策としては、社会保障・税一体改革による給付と負担の全体像を踏まえつつ、当面の間は、簡素な給付措置を実施すべき」との考えを示しております。

 そのほか、役員給与の損金算入要件の見直し(定期同額給与等について硬直的な要件を見直すこと、現行の利益連動給与の規定を見直し、中長期の様々な企業業績に係る指標を参照する株式報酬を含む業績連動型役員給与に損金算入を認めることなど)も要望しております。
 今後の税制改正の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成27年11月9日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。