厚生労働省は、2016年度税制改正要望を公表しました。
 それによりますと、高齢化社会の進展による医療費増加が問題視される中で広がっているセルフメディケーション(自己治療)を推進する観点から、「市販薬控除」、「検診控除」など、従来の医療費控除を補完する新しい所得控除の創設を要望しております。

 厚生労働省は、医療需要の増大をできる限り抑えつつ、「国民の健康寿命が延伸する社会」の実現を図るためセルフメディケーションを推進しております。
 「市販薬控除」とは、市販薬を年間1万円以上購入した世帯について、総額から1万円を引いた金額を最大10万円まで所得控除の対象にするというものです。
 現行制度は、原則、自己負担額が10万円を超えない場合には対象とならず、要指導医薬品及び一般医薬品を用いてセルフメディケーションに取り組んでも医療費控除の対象外となる場合があるため、金額的なハードルを下げて使いやすくし、現行の医療費控除との選択適用とする模様です。

 「検診控除」は、国民の自発的な健康管理や疾病予防の取組みをフォローするもので、市町村や医療保険者等が行う健康増進・疾病予防事業のうち、自己負担額が発生するものを対象とする所得控除制度の創設を要望しております。
 例えば、がん検診や予防接種、特定健診、人間ドック等が対象となり、生活習慣病等にり患することによる心身への影響や収入(担税力)への影響を勘案し、健康増進・疾病予防への個人の取組みを推進します。
 これらの要望は、
①健康管理の習慣が身につく
②病院等に行く手間と費用が省かれる
③医療機関の過負荷(3分診療等)を軽減できる
④医療保険費を抑制できるなどの効果があります。

 また、健康について気軽に相談できる環境、専門家の適切なアドバイスの下で市販薬を安全に使用できる環境整備も重要であり、充実した相談体制や設備等を有する薬局(中小企業者)を対象とする不動産取得税の軽減措置の創設も要望しております。
 今後の税制改正の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成27年11月2日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。