日本取締役協会は、企業経営の効率性を促すことを目的に、役員報酬の側面からのガバナンス強化について、法規制・税制改正を求める要望書を公表しました。
 それによりますと、政府主導によるスチュワードシップ・コードとコーポレートガバナンス・コード導入を機に、ガバナンスの進展が期待されている中で、役員報酬に対するガバナンス改革も緊急の課題と指摘しております。

 2015年度中に対応が必要な項目として、株式報酬と利益連動給与の税制改正を取り上げ、制限付株式やパフォーマンスシェアなどの長期インセンティブ報酬を活用するための制度整備を進め、また、業績連動報酬(利益連動給与)の法人税法上の損金算入の改正を提言しております。

 また、今後継続して強化すべき項目として、統合的開示規制及びガバナンス規制の整備も要望しております。
 業績連動報酬についての要望として、
①上場企業の持株会社傘下の子会社、及び上場企業の連結子会社も、報酬(諮問)委員会を設置している場合に限り、対象とされる法整備

②全役員に同一の算式をあてはめることは実務上困難であり、各役員のミッションはそれぞれで異なることを鑑みて、同一の報酬の方針(報酬についての基本的な考え方や仕組み等)に基づいて算定されていれば良いとする法整備
③複数年(例えば2年~5年)を計測期間とした制度も同様に損金算入の対象とすること

 要望理由として、「経営陣の報酬については、中長期のインセンティブ付けを目的とする株式報酬に加えて、毎期支給される現金賞与(利益連動給与)もインセンティブの観点からは、同様に重要。したがって、利益連動給与に関する税整備も、株式報酬に関する税整備とセットで検討されること」としております。
 日本取締役協会では、「経営者報酬ガバナンスが更に進展することによって、企業業績が向上するよう経営者を督励し、そのような経営行動が高業績を導き、結果として株価の上昇等を通じて日本経済の再興の一助となる」との考えを示し、「それをサポートするよう関連する本規制・税改正が早急に実現することを希望する」としております。
 今後の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成27年10月5日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。