日本税理士会連合会は、2016年度税制改正に関する建議書を公表しました。
 それによりますと、税制に対する基本的な視点として、
①公平な税負担
②理解と納得のできる税制
③必要最小限の事務負担
④時代に適合する税制
⑤透明な税務行政を示した上で、消費税の単一税率を維持することなどを主張しております。

 消費税の単一税率を維持することについては、消費税率の引上げに伴ういわゆる逆進性への対応策として軽減税率の導入が検討されておりますが、軽減税率は、その効果が高所得者により多く及ぶことや、一定の税収確保のためには標準税率を引き上げるなどの措置を講じる必要があることなどから、極めて効率の悪い制度だと指摘しております。
 さらに、事業者の事務負担なども考慮すれば、消費税の単一税率は維持すべきと主張しております。
 その上で、逆進性への対応策は、個人所得課税及び社会保障給付の見直しを含めた社会保障・税一体改革の中で構築することが適切であると指摘しております。

 また、中小法人は、財務基盤が弱く、欠損法人割合も高い実態を踏まえ、担税力の観点から、外形標準課税を中小法人に導入すべきではない旨も主張しております。
 外形標準課税の課税標準の一つである付加価値割の大半は給与であり、中小法人は大法人と比べると労働分配率が高いことから、中小法人に外形標準課税が導入された場合には、中小法人の雇用にも影響を及ぼすとの懸念を示しております。

 そして、給与所得控除、公的年金等控除の見直しも主張しております。
 給与所得者が職務上必要とする経費の大半は、使用者が負担するのが通常であり、給与所得者が負担する必要経費の実態からすれば、わが国の給与所得控除額は過大となっていると指摘しております。
 これらより、現行の給与所得控除については相当程度の引下げを行うこと、また、現行の公的年金等控除についても、相当程度の縮減を行うことが適当だと主張しております。
 今後の税制改正の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成27年9月3日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。