2015年度税制改正において、国外事業者が国内で行う芸能・スポーツ等の役務の提供について、その取引に係る消費税の納税義務を、役務の提供を行う事業者から、役務の提供を受ける事業者に転換し、2016年4月1日以後に行われる資産の譲渡等から適用する見直しを行っております。
 この見直しの背景には、会計検査院より、消費税を納税していない非居住者の芸能人やスポーツ選手の存在を指摘したものとみられております。

 会計検査院は、消費税制度をよく知らない非居住者本人に申告・納付を任せるには無理があり、多くの課税漏れが生じていた実態を指摘しました。
 例えば、プロ野球で外国人選手のうち、課税売上高が1千万円を超える選手が、野球シーズン終了後、消費税の確定申告をせずに帰国してしまうケースなどがあげられており、今後は、役務の提供を受ける所属球団が納税することになりました。
 上記の役務の提供とは、国外事業者が行う映画・演劇の俳優、音楽家その他の芸能人、職業運動家のうち、その国外事業者が他の事業者に対して行うものをいいます。

 また、国税庁が公表しました「消費税の課税方式の見直し」によりますと、職業運動家には、アマチュア、ノンプロ等と称される者であっても、競技等の役務の提供を行うことにより報酬・賞金を受ける場合も含まれるとしております。
 具体的には、国外事業者が、対価を得て他の事業者に対して行う
①芸能人としての映画の撮影、テレビへの出演
②俳優、音楽家としての演劇、演奏
③スポーツ競技の大会等への出場等があげられます。

 なお、国外事業者が個人事業者で、自身が、上記①~③の役務の提供を行う場合も含まれ、役務の提供を行う国外事業者が免税事業者であっても、上記の役務の提供に該当します。
 ただし、国外事業者が、不特定かつ多数の者に対して行う役務の提供は含まれません。
 また、改正消費税法基本通達において、運動家には、陸上競技などの選手に限らず、騎手、レーサーのほか、大会などで競技する囲碁、チェス等の競技者等も含まれるとしておりますので、該当されます方は、ご注意ください。

(注意)
 上記の記載内容は、平成27年7月24日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。